スレッドとプロセスの違い
スレッドとプロセスは、コンピュータプログラムの並行実行に関する基本的な概念であり、それぞれに特徴と違いがあります。
プロセス (Process)
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定義:
- プロセスは、実行中のプログラムのインスタンスです。各プロセスは独自のメモリ空間を持ち、他のプロセスとは独立して動作します。
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メモリ空間:
- 各プロセスは独自のアドレス空間を持ちます。他のプロセスのメモリに直接アクセスすることはできません。
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リソース管理:
- プロセスは、CPU時間、メモリ、ファイルディスクリプタなどのリソースを管理します。
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コミュニケーション:
- プロセス間のコミュニケーション(IPC)は比較的複雑で、メッセージパッシング、共有メモリ、ソケットなどのメカニズムを使用します。
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オーバーヘッド:
- プロセスは独立して動作するため、プロセスの生成やコンテキストスイッチには比較的大きなオーバーヘッドが伴います。
スレッド (Thread)
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定義:
- スレッドは、プロセス内で並行して実行される最小の実行単位です。スレッドはプロセスのリソース(メモリ空間など)を共有します。
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メモリ空間:
- スレッドは、同じプロセス内の他のスレッドとアドレス空間を共有します。これにより、スレッド間のデータ共有が容易になります。
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リソース管理:
- スレッドはプロセスのリソースを共有します。スレッド自身は、スタックやレジスタなどの最小限の情報を個別に持ちます。
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コミュニケーション:
- スレッド間のコミュニケーションは容易で、共有メモリを介してデータを交換できます。しかし、これによりデータの競合やレースコンディションが発生しやすくなります。
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オーバーヘッド:
- スレッドの生成やコンテキストスイッチはプロセスに比べて軽量です。したがって、スレッドを使用することで並行処理のオーバーヘッドを削減できます。
比較表
| 特徴 | プロセス (Process) | スレッド (Thread) |
|---|---|---|
| 定義 | 独立した実行単位 | プロセス内の実行単位 |
| メモリ空間 | 独自のアドレス空間を持つ | 同じプロセス内でアドレス空間を共有 |
| リソース管理 | 独自のリソースを持つ | プロセスのリソースを共有 |
| コミュニケーション | IPC(複雑) | 共有メモリ(容易) |
| オーバーヘッド | 高い(プロセス生成・コンテキストスイッチ) | 低い(スレッド生成・コンテキストスイッチ) |
まとめ
- プロセスは独立した実行単位であり、各プロセスは独自のメモリ空間とリソースを持つため、隔離された環境で動作しますが、プロセス間のコミュニケーションは複雑です。
- スレッドはプロセス内の軽量な実行単位であり、同じプロセス内でメモリ空間を共有するため、スレッド間のデータ共有が容易ですが、競合状態に注意が必要です。
スレッドとプロセスを適切に使い分けることにより、効率的な並行処理を実現することができます。

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